難産

 犬はおよそ62日、猫は60日くらいで出産しますが、1〜2日は早くなったり遅くなったりすることがあります。遅いと、その日数だけ胎仔が発育しますので、それだけ難産になることが多くなります。犬では、チワワ、ヨークシャーテリアなどのような小型犬は一般に難産なものです。交配する時に、小さい体格の雄を選ぶようにすると、多少は防げますから、心がけてみてください。
 出産が始まると怒責(いきみ)を繰り返しますが、胎仔の頭、くび、前肢の順に出てくれば順調です。胎仔は袋をかぶって出てきますが、袋が破れたり、片手だけ出てきたり、逆さに出たりしますと難産となり出産まで時間がかかります。
 助産法としては腹を怒責(いきみ)に合わせて圧迫し、押し出すようにしながら、出かかった仔の頭部を軽くつまみ、心もち母体の腹側へ向けて引き出すようにします。
 頭だけ出てその後長く停滞していると、仔は臍の緒を圧迫され、呼吸もできずに死亡します。この場合は頭部を右や左へ揺すりながら急いで引き出し、母体を解放してやる方がいいでしょう。
 分娩にあまり長い時間がかかったり、とうてい無事に産めそうもないと思われるときは、一刻も早くかかりつけの獣医師の所で帝王切開をしてもらいましょう。