嘔吐・下痢・便秘

 ・嘔吐
 食べ過ぎや中毒によっておこる嘔吐は、無理に止める必要がありません。おおいに吐かせて下さい。嘔吐した後、元気でまた吐いた物を食べようとする場合は、一般に問題がないことが多いようです。しかし、あまり嘔吐が続いたり、原因が分からない場合は、急いでかかりつけの動物病院に行き、治療を受けてください。

 ・下痢
 下痢は、嘔吐と同じくらいいろいろな原因によって引き起こされますが、大別して腸管そのものの病気、すなわち細菌やウイルス(ジステンパー)、原虫(スピロヘータ)、そして寄生虫が原因となる場合と、全身性の病気、すなわち感染病(ジステンパー、犬伝染性肝炎)や血液循環の障害、そして代償性疾病や重金属中毒などの場合に下痢になります。
 また、機能障害による原因としては、過食、食餌性アレルギー(特定のえさによるもの)、消化不良、異常吸収、機械的刺激および神経過敏などの例があげられます。まず絶食療法にします。しかし、水分の補給はぜひ必要です。肝臓や膵臓疾患のように下痢が長く続くようなときや食欲がなく全身状態がどんどん悪化してゆくときは、腸閉塞など、急を要する病気の場合も考えられますから、便の状態、病歴をよく観察して、できるだけ早く獣医師に相談するのがよいでしょう。

 ・便秘
 ふつう、便秘は骨の多い食物や水分の少ない食物を与えた時におこります。
 処置としては、グリセリンまたはせっけん水で浣腸します。薬局や薬店にある浣腸剤をそのまま使えばよいでしょう。猫では腹部を温めてやり、軽くマッサージをしながら便を肛門に送ることもできます。やりかたは、日ごろ獣医師に教わっておくと急の場合に間にあいます。
 便秘でしかも糞を嘔吐する場合は、至急獣医師の診断を受けなければなりません。これは吐糞症という病気です。腸閉塞の疑いがあります。
 また、毛の長い種類の犬が下痢をすると、校門付近の毛と便がもつれて固まってしまい肛門をおおうようになります。これが排便を妨げるようになるので便秘になったりします。この場合は、毛と便のもつれた塊を取り除いてやれば、ふつうの便が出来るようになります。