貧血

 貧血には、慢性と急性があります。
 応急手当が必要になるのは、急性の貧血の場合です。というのは、多くの場合、原因が出血多量によるものだからです。急性に次のような症状があらわれます。嘔吐、粘膜の退色、心臓の機能障害などで、されに、脳に十分な血液が流れないと意識がうすれ、そのために死ぬこともあります。その他に、フィラリア症・バベシア症・タマネギ中毒のように急性に赤血球が血管内で壊れてしまい、溶血し貧血する場合も最近多く見られます。
 急性貧血の時は、早く出血を止め、からだを温めてやることが必要です。横になっている動物の頭の下にタオルなどを挟んで高くしてはいけません。頭は、心臓よりも低くすると、血液が流れやすくなり、早く回復するからです。
 慢性の貧血は、栄養障害、寄生虫の寄生、口内炎や歯肉炎の出血、あるいは、白血病・骨髄の病気などが原因となっておこるもので、結膜が白っぽくなり、心臓の機能障害をおこしてむくみがあらわれます。
 慢性の場合は、応急手当をすることはありませんが、悪化しないうちに、動物病院に連れて行くようにしましょう。