骨折・脱臼・打撲

 ・骨折
 骨折したと思われるときは、なるべく早くその場所または、近くの場所で、応急手当を行った方がよいのです。
 動物を病院へ運ぶ前に、幹部の悪化、動かすことによる痛み、皮膚が傷ついているときには感染を防ぐため、一時的に勝手に動けないようにすることが理想です。
 方法はあり合わせの長めの板、棒、ボール紙などを傷のわきに当てて、近くの関節も一緒に固定し、なるべく動かさず静かに移動させなければなりません。
 また重度の骨折で著しく骨折部位が変形している場合は、静かに少しでも正常位に近い形にもどして固定します。
 しかし複雑骨折で激しい出血がある場合には、骨折の手当てよりも止血を先にしなければなりません。出血の手当ては、足や尾の場合であれば傷口より心臓に近い所を、強めに紐などでしばりあげてしまいます。
 いずれにしても、傷口があるときには、汚れた手でいじりまわしたり、ねじってみたりしないで、早く手当てをして獣医師の治療を受けるようにします。

 ・脱臼
 脱臼の手当ても基本的には、骨折と同じです。板や厚手の紙(ボール紙など)、薄めの雑誌などをそえ木にして、筋や神経を傷つけないように関節を固定し、無理に引っ張ったりしないようにします。そしてできるだけ早く動物病院に連れて行って下さい。

 ・打撲
 強く打って脱力して無気力になったり、はげしい痛みを訴えたりしているときは、骨折や脱臼を考えなければなりません。また、腹部や胸部なら内臓の損傷などを考えるべきです。頭部や顔面では脳の損傷があるかもしれません。交通事故や高い所から落ちたりしたときなど、どこを打ったか分かりにくい場合には、特に気をつけて、すぐに獣医師の検査を受けてください。
 処置は、骨折や脱臼に準じて行いますが、そのほかの場合も考えて、板か丈夫な布の中央に乗せてタンカのようにして動物病院まで運びます。