血が出た - 喀血・吐血

 動物が口や鼻から出血したときは、その血液の色や混じっているものをよく見ておく必要があります。それによって、内臓のどこから出血したかが分かるからです。
 喀血は、おもに肺臓に出血があるため、肺胞や気管支に溜まった血液を、咳と共に体の外に出そうとする症状です。血の色は鮮紅色で気泡(あわ)が混じっているので、わかります。呼吸が速くなったり、呼吸困難に陥ることもあります。
 安静にしてやるといくらか楽になります。犬では、おもにフィラリア症が原因になりますが、そのほか肋骨骨折や肺炎なども原因になることがあります。
 吐血は、胃または食道からの出血を嘔吐物として吐きだすのです。その色は暗赤色か茶褐色のことが多く、しばしば胃の内容物が混じってます。多くの場合、呼吸困難はありません。
 手当ては、まず安静にして、吐いたものが気管に流れ込んで呼吸器障害とならないように頭を下げる姿勢にしておくと気分が回復してきます。また、原因がはっきりするまでは、絶対に水を飲ませてはいけません。
 食道の上方や口から出血した場合は、鮮紅色の出血がみられることがありますが、胃の出血なら茶褐色に見えるのがふつうです。一般には少量でくりかえしくりかえし嘔吐があらわれます。