嘔吐 - えさによっては吐くことがある

現在、各家庭で飼われている動物は、その動物のもつ本来の姿とは変わり、食事内容はかなり乱れているようです。肉食獣であった犬や猫が、植物性のえさを結構食べますし、たとえばミカンやスイカでもかじる子が普通にいます。
これは決して好ましいことではありませんが、とくに現代ではある程度しかたのないことです。しかし、本来の動物の持っている生理的機能をいちじるしく無視した飼い方は、しばしば内臓の障害をおこさせます。

とくに家の中に人と同居している動物は一般的に見て運動量は不足、暖冷房のために季節感は減退、そして食べるものは人と同様に多種多彩で味付けまでが人と同じということになっています。ですから、少なからずからだの変調をきたし、脂肪ぶとりによって体重は本来の二倍くらいもある子も結構います。
脂肪(脂)の多いえさを食べると吐く、甘い菓子類を食べたら吐いた、人と同じ食事を与えると吐いてしまう、などとよく相談されます。胃をはじめ一連の消化能力が低下していることは間違いありませんが、それ以上に問題なのは、なぜこんな食事を平気で与えるのかということです。
自分のペットですから、どう飼おうが勝手だと言ってしまえばそれまでですが、人と動物の生理機能の違いだけは考慮に入れて、えさを与える必要があります。このようにい胃腸障害をおこすのが当然と思われる例は別として、食べ過ぎ以外で嘔吐するのは、必ずからだのどこかに異常があるか、あるいはえさが悪いのか、のどちらかで、食べ物でない物の採食による嘔吐がみられることもあります。
嘔吐が何度も繰り返し、おさまりそうもないときは直ちに治療を必要とする場合が多いので獣医師に相談した方がよいでしょう。
また、自分の家の動物がある特定のえさに対してアレルギー体質であるかどうかは、ぜひ知っておくのがよいと思われます。