尿のこと - 尿がでない

尿の量は飲む水の量に比例するのがふつうです。ここでは、もちろん、病的な場合で尿がでない例をあげてみましょう。
まず、尿意がある場合、つまり自分では出そうとしたり、出したいと努力するのに排尿がうまく出来ない場合です。雄獣にみられる前立腺炎、前立腺肥大症や尿道炎、尿道結石症などでは、尿の通り道である尿道が結石や炎症ではれたり閉鎖されて排尿ができなくなってしまいます。
こうした病気では、動物は苦痛を伴い、盛んに排尿しようと努力しますから、排尿姿勢を取りながらも尿がでないというときには、これらの病気が疑われます。この状態が長く続くと尿毒症、会陰ヘルニア、膀胱破裂、膀胱弛緩症、膀胱まひなどに移行する可能性があります。
次に尿が出ない
ばかりか、尿意もない場合があります。健康な体であれば、膀胱内にある程度の尿量が貯留すれば尿意をおこします。膀胱の中に尿が溜まっているのに全く排尿をしようとしないときは、常に異常というべきでしょう。
この場合、もっとも可能性があるのは、膀胱を働かせる神経の異常で、膀胱収縮筋のまひ、膀胱括約筋の緊張が考えられます。腰の神経に異常がある場合に同時に発症することがあります。
ほおっておくと、尿毒症や膀胱破裂をおこしたり、腹腔の限られた容積の中で膀胱が膨大するために、他の内臓や血管を圧迫し、二次的に障害をおこしてしまう可能性もあります。