口・眼・鼻・耳・肛門 - 肛門

 ・肛門の周囲が汚れるが、糞便ではなさそう
家の中で飼われている猫や犬は、とくに排泄については厳しくしつけられているのがふつうですから、室内ではよほどひどい下痢でもない限り、めったにそそうはしません。
ところが座っていた座布団の上に十円玉くらいのシミがついたとか、壁に尻をこすりつけて少しずつ糞をする妙なくせがあるとか、ときどき肛門の周囲が汚れていて変なにおいがする、などと飼い主から聞くことがあります。
このような場合の多くは、実は便ではなくて、肛門腺の分泌物があふれ出ていることがあるのです。
もともと肛門腺は、腸とは直接関係が無く、生殖腺の機能と関係があるとか、イタチやスカンクの「最後っ屁」の源と言われ、犬や猫では退化器官であるともいわれていますが、三頭に一頭くらいは分泌物が貯留し、この痛みが刺激になって便が近くなったり、ちょうど、人で言うイボ痔のような症状をあらわします。
この貯留物のしぼり出し方を教わるか、絞ってもらうか、または手術によって肛門腺を切り取るかなど、一度獣医師によく相談してみるとよいでしょう。