口・眼・鼻・耳・肛門 - 

 ・耳のうしろの毛が薄くなる
耳介のうしろの毛が抜けてしまったり、すれてしまうことがあります。
こんな異常に気が付いたら、動物が前足か後足でかいているかもしれませんから、よく観察してください。多くの場合は、かいているその皮膚の異常より、外耳炎、中耳炎など、むしろ耳腔内に異常がある場合のほうが多いのです。
耳疥癬の寄生も少なくありません。これらはみな、耳腔の中が痒いのです。
また耳血腫の場合があるかもしれません。あれこれ心配したところが、単に耳垢の溜まり過ぎだったということもあります。


 ・耳だれ、耳の中が臭い
耳腔の表面は、からだの表面と同じように皮膚ですから、あか(垢)が出るのは当然です。しかし、風通しの悪い洞穴のような状態の耳腔に溜まった垢は適度の湿気と温度を得て細菌やカビ(マラセチア)が繁殖しやすく、また耳疥癬も寄生しやすいのです。
耳腔は、これらの原因によって炎症を起こすと耳だれとなり、悪臭を放つようになります。これが外耳炎(外聴道炎)です。もし鼓膜の内側で炎症がおきれば中耳炎や内耳炎ですが、これらは外からちょっと見たくらいでは分かりません。
たかが耳垢と気楽にはしていられない場合が多いので、あまり垢が多い時は一度、獣医師に細菌や耳ダニの検査をしてもらった方がよいでしょう。

 ・耳介(じかい)がはれた
耳介の大きさや形は動物の種類や品種によってかなり違いがあります。
今では品種によって、幼獣から成獣になるにつれて耳介の形も少しづつ変化するものがあります。
耳介が腫れた場合は、一般的には耳血腫が考えられます。触ると痛がり、ぶよぶよした感じで、多少発熱を伴うことがあります。耳介の一部の場合もありますが、多くは一側の全体的で、内側も外側も一様に膨らみます。
耳介の内側だけが腫れた場合には、多くは、外耳炎が考えられます。また、外側が腫れた時は皮膚病のうちの疥癬など外部寄生虫が原因になる場合が多いようです。
これらのほかには、咬傷から膿瘍を発生したり、自分でかいて傷をつけてしまったような場合もあります。