口・眼・鼻・耳・肛門 - 

 ・口唇(くちびる)がはれた
唇は上下に分かれ、動物の種類によってだいたい一定の形をしていますが、犬では品種によってかなり形に違いがあるようです。薄い品種、厚い品種、張りつめた品種、たるみのある品種など、いろいろです。
ふつう、唇が腫れたと気づくのは口を中途半端に開いていたり、顔が腫れていたり、口が大きくなったように見えたり、また咀嚼に異常があらわれたりしたことによります。もちろん、唇が腫れてすぐに気づけばいうことはありませんが、長毛種ではうっかりすると見落としてしまいます。
各種の原因による口内炎、昆虫類の刺傷、えさや薬剤によるアレルギー、ジンマシン、唇に発生した腫瘍などによっておこります。

 ・口の周囲がよごれる、口臭がひどい
動物の口腔には、細菌がたくさんすんでいます。一般的に人のように歯を磨けないし、食後のうがいもできません。エサのかすが歯の間などに残っていると、とくに細菌が繁殖し、これがやがて石灰化して歯石となり、悪臭を放つようになります。さらに歯石は口腔の中で周囲のやわらかい歯肉や口粘膜などの組織を傷つけて歯肉炎や口内炎をおこさせます。また、歯槽膿漏の原因にもなります。
このようい口腔内におきたいろいろな異常は、唾液の分泌を多くさせて、口の周囲を汚し、口臭のもとになるのです。

 ・口から泡をふきながら転倒する
口から泡を吹きながら転倒し、足をばたばたさせると、多くは癲(てん)癇(かん)を想像します。たいていはそれで当たっています。
しかし癲(てん)癇(かん)ではない脳、神経の異常の場合にも見られ、とくに子犬の場合にもみられ、とくに子犬の場合には、神経型のジステンパーの症状又は低血糖症としてあらわれます。意識不明の場合に、うっかり手を出すと咬みつかれますから、注意して下さい。同じような発作でも泡を吹かない場合は、心臓発作が疑われます。発作をおこした前後の様子をよく思い出して、正確に獣医師に伝えると診断の助けになります。