異常行動 - 抱くと嫌がる、痛がる

元来、動物は人に無理に抱かれたり、さわられたりするのを決して好んではいません。しかし、長年の習慣で人は抱き上げるのを愛情の表現と信じていますし、動物もあまり嫌がられなくなってきました。とくに家の中で飼育されている動物では、もはや抱いたりさわったりすることは、日常の行動のうちに入っているはずです。
あるとき、突然に抱きあげられるのを拒んだり、いやいや抱かれているような様子が見えたら、ちょっと考えてみて下さい。からだのどこを持つと嫌がるのか、どんな姿勢が気に入らないのかを注意してみます。
こんな場合、多くは背骨が痛いか、筋肉が痛いか、あるいは、力のかかりかたで内臓の位置が変わったり、圧迫感を感じたり、また、その圧迫が内臓の痛みをおこすことと関係がありそうです。
獣医師が動物を診察するときに体のあちらこちらを指先で圧迫したり、手のひらで押したりするのは、その内側にある内臓や、組織に異常のあるなしを探るためですが、ちょうどこれと同じようなことが、抱かれることによっておこってしまうのです。とくにどんな姿勢の時に嫌がるかを獣医師に伝える必要があります。正確な情報ほど診察の助けにもなるものはありません。