糞便 - 便がでない

健康な動物であれば、食べた食事の量にみあっただけの糞便を毎日排泄するのがふつうです。
食べているのに排泄が無いということはからだのどこかに異常があるものと考えなければなりません。動物を飼っているのですから、食事を与えることは当然で、これを忘れる人はめったにいないでしょう。しかし排便があるのかないのかについては全く無関心な人がいるので困ります。
排泄が無いと、まず原因は便秘を考えるのがふつうです。与えた食事の質量によっては便のでない日もあるでしょう。消化のよいたんぱく質では便の量は少なくなく、繊維の多い食事は便の量が増加します。人の場合にもこれは当てはまりますが、動物では犬や猫にこの傾向が著しいようです。また、腸の運動機能が低下したり、まひしたりすると便秘が起こります。腸の中に停滞した糞は、たいてい異常発酵をおこし、腸粘膜を刺激するので、腸炎の原因にもなります。被毛を自分でなめて毛づくろいをする猫では、消化管のなかで毛球ができて便の通過を止めてしまうこともあります。
腸閉塞、嵌頓、腸重積、腸捻転、腸破裂、直腸憩室などの腸の病気も便がでません。石や木、種などの異物が腸に詰まってしまうこともあります。
このように思い病気の一つの症状として便がでなくなることがあるので、ほおっておくのは危険です。毎日排泄があるかどうかは、ぜひ観察する必要があります。