その他 - 全身が冷たい感じ

動物の体温は大方の人が知っているように直腸の温度で表現します。つまり体温計を肛門から差し込んで体温を測るのです。
体の表面の温度は場所によっても違いますが、ふつうは体温より0.5〜1℃くらいは低いものです。また、その時の気温(室温)によってかなり影響を受けますし、食後間もない時間や運動後などはやや高めになるのがふつうです。さらに体毛の長短や毛質によっても保温の程度が違うので、相当の差異があります。よくなれた飼い主ですと動物の体をちょっと触っただけで体温の変化が分かるといわれますが、これも人の手の温度によってかなり左右されます。
このようないろいろの条件をすべて考え合わせたうえで、なお動物の体が冷たく感ずることがあります。こんな時はぜひ体温を測ってみてください。平熱より低いかもしれません。平熱より低い体温を低体温とか虚脱熱などといいますが、多くは心臓の機能障害の結果、からだ中の血液の循環が悪くなったときにおこる状態です。
動物は元気もなく、なんとなくぼんやりしていたり、立つこともできず、ひどく不安気な状態になります。背中の皮をつまんで持ち上げてみると、容易には元のようにぴんとはもどりません。このような状態を脱水症状といいます。
心臓機能障害の他に、栄養不良、中毒、重篤な伝染病の末期症状としてもあらわれることがあり、放置しておくとほとんどは予後不良(治る見込みがないこと)ですから、一刻も早く手当てを受ければなりません。