その他 - 横になって寝ない

健康状態にある動物ではその種類によってそれぞれの寝姿がありますが、だいたいは体の左右いずれか一側を下にした、いわゆる横臥がふつうでしょう。ところが「伏せ」の姿勢で眠ることがあります。あたりを警戒しながらの仮眠は別として、一般には胸啌内に異常のある場合がそれです。比較的重篤な慢性の心臓疾患がある場合、胸水貯留、横隔膜ヘルニア、胸膜炎の場合などに見ることがあります。
体を横たえるこによって、心臓や駐留した液体が肺を圧迫するのを防ぎ、呼吸をしやすくする結果でしょう。胸と腹の境になっている横隔膜が裂けて腹腔にあるはずの肝臓などの内臓が胸腔に転移するいわゆる横隔膜ヘルニアをおこした犬や猫では、ほとんどがこの姿勢をとります。
また、妊娠の末期や、腹水症でも腹腔が膨大し横隔膜を前方に圧迫するために呼吸が苦しくなり、このような姿勢をとることがあります。寝ているときばかりではなく、ふだんも同じようにしていることが多いので、よく注意してみてください。